人間健康科学コース

概要

本コースでは,地域の社会集団の中で暮らす地域住民の,社会的な側面と個人的な側面を総合的に理解し,そこを基盤として,住民が抱える問題に俯瞰的観点からアプローチできる担い手,専門的に心理的ストレスや心身の健康問題に取り組んで行くことのできる人材,また,専門的に地域のヘルスプロモーションやスポーツを通しての地域の活性化に取り組んで行くことのできる人材を育成します。そのために本コースには3つのプログラムを設置し,「行動科学プログラム」では,認知心理学,社会心理学・犯罪心理学,情報科学,家族社会学,地域社会学,行動地理学などの広い分野から地域における人間行動の総合的な理解を図り,安心・安全などの地域問題の解決に携わる高度専門職業人を養成します。「臨床心理学プログラム」では,実験・臨床心理学,人格・臨床心理学,発達・臨床心理学,臨床心理学的地域援助論などの専門分野に加え,認知心理学,社会心理学など広い分野から地域社会で活躍できる臨床心理士や公認心理師等の心の専門家となる高度専門職業人を養成します。「スポーツ健康科学プログラム」では,スポーツ運動学,スポーツ社会学,スポーツ疫学,スポーツ心理学の専門分野に加え,生活科学,栄養学,衛生学などに基礎を置く,衣生活健康科学,スポーツ栄養学などの広い分野から,スポーツを通して地域の活性化や地域が抱える問題に対処できる高度専門職業人を養成します。

人間健康科学コースにおいては,「ひと」という共通の枠組みのなかで,各プログラムで中心的に取り組んでいる専門分野の位置づけを明らかにすることができ,かつ専門に関わる周辺分野の専門知識を包括的に理解できるようにコース共通科目「人間健康科学総合演習」を開設します。「人間健康科学総合演習」は,行動科学分野,臨床心理学分野,スポーツ健康科学分野からなる専門分野の現状と課題について,文献資料の分析,実験や調査等で得た知見と自らの専門分野を基軸に他の専門分野との学際的な議論を通して,新たな課題や課題へのアプローチを探り,人間健康科学における諸課題の解決を目指して総合的に学ぶ姿勢を培うことを目標としております。

プログラム

行動科学プログラム

行動科学プログラム  本プログラムでは,人間行動の個人的側面及び社会的側面の両面から,地域社会や住民が抱える問題にアプローチでき,地域の行政や教育に携わる中核的指導者,あるいは情報科学的素養をもちあわせた行動科学分野の高度専門職業人として,広く社会に貢献できる人材を育成するための教育を行います。
 具体的には,人間行動の個人的側面と社会的側面の両面に関心を持つ複眼的な視点と,両側面の相互作用による社会場面での人間行動に対する理解力を持った人材を,行動科学諸分野について隣接学問領域とともに学修させることによって育成します。

臨床心理学プログラム

臨床心理学プログラム  本プログラムでは,岩手県における臨床心理士養成大学院(第一種指定校)として,地域事情をよく理解し,地域住民のこころの問題や心の健康維持増進に適切に対応できる臨床心理士や公認心理師等の心の専門家を養成します。重要な点は,特定の心理療法や心理査定技術だけが得意な専門家養成を目指すのではなく,人間行動の個人的側面だけではなく社会的側面も理解し,また心の健康だけではなく身体的健康にも働きかけることのできる,総合性を踏まえた上での専門家を育成することが重要になっています。特に,被災県にある高等教育機関として地域に密着しながら,地域住民の心の問題への対応を中心に,医療,教育,福祉等,さまざまな領域で心の専門家として活躍できる人材を養成します。

スポーツ健康科学プログラム

スポーツ健康科学プログラム  本プログラムでは,地域社会や住民が抱える健康問題に的確に対応し,スポーツ・運動を通して課題の解決に向けた地域の取組に包括的な提言やコーディネートできる人材を育てる。特に,東日本大震災津波の復興でクローズアップされた住民の健康問題,子供や高齢者の運動不足や介護予防などの地域の健康問題に対し,スポーツ・運動とともに衣・食を含めた包括的な視野から地方自治体・体育協会・保健指導施設や総合型地域・スポーツクラブ,NPO,民間スポーツクラブなどで活躍できる人材を養成します。
 このため,本プログラムでは,衛生学,疫学,心理学,社会学,コーチング学,トレーニング科学の面からスポーツ・運動に関する理解を深めるとともに,生活健康科学(衣環境)と栄養学の専門知識と発想を融合的に身につけ,それらを総合的に活用して健康をめぐる諸問題をトータルに捉え,それらに的確に対処できる能力を修得させるための教育を行います。