専攻長メッセージ

地域創生専攻長 関野 登

“つながる”と“つなぐ”

平成29年度より岩手大学の新たな修士課程として“総合科学研究科”がスタートしました。本研究科は従来の専門深化に加え、文理の枠を超えた幅広い視野をもつ人材の養成が特徴です。本研究科を構成する4つの専攻のうち、“地域創生専攻”は文系・理系の様々な分野を包含した専攻です。まさに、文理の枠を超えた幅広い視野を培うにはうってつけの専攻です。少々硬い表現ですが、地域創生専攻規則第2条に記載された本専攻の設置目的を引用します。

「地域創生専攻は,東日本大震災からの復興への取組実績を発展させ,地方を念頭に置いた産業の振興,安全安心な社会の実現,住民の心身の健康の確保等を担うために必要な高度な専門知識・技能と総合的な視野を有し,持続可能な地域社会の創生に貢献するとともにこれらの成果を世界に発信できる高度専門職業人・研究者を養成することを目的とする。」

本専攻の入学生は、この目的に応じた“地域産業コース”、“地域・コミュニティデザインコース”、“人間健康科学コース”のいずれかで、自らの専門性に合ったプログラムを履修します。プログラム科目により、これまで培った自らの専門性を深化させます。そして、その専門性を活かすための様々な周辺知識や考え方をコース共通科目や研究科共通科目で学び、総合的な視野と俯瞰力を醸成します。一方、地域の課題を克服するための方策、技術、プロセスには、世界各地での共通性あるいは独自性があります。地域課題の対策を地域で完結するのではなく、海外の成功例を上手に取り入れ、また、国内の成功性を世界に発信しながら国際交流を進める時代に入りました。これからは “Think globally, act locally” が本格化する時代です。その手助けになるように本専攻では全学生必修の”グローバルコミュニケーション”が設けられています。

最後に専攻長からのお願いです。本専攻に入学したら、“地域創生”にとって何が必要かを、在学中に思索し続けてください。そして、持続可能な地域社会の構築に向けて、自分に何ができそうかを考えてください。都市と地方の格差が広がる中、地方での豊かな暮らしの創生が求められています。地方には、豊かな自然環境や伝統文化、ものづくり技術、農林水産資源があります。これら物質的あるいは精神的な資源をいかに活用するかが問われています。現代社会では様々な分野が複雑に絡み合っており、縦割りの技術や思考のみでは通用しません。SNS の急速な発達により、“つながる”ことが容易な社会になっていますが、地域創生に向けては、様々な価値観や考え方を理解し合って共有し、異分野を“つなぐ”ことが必要です。本専攻に入学したら、各自の専門性を深化させつつ、“つながる”から一歩進んで“つなぐ”人になるための俯瞰的視野を、是非、培って下さい。そして、社会に出た時にはその経験を活かし、地域、或いは国内外で活躍することを期待しております。